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<ヒッチの設計について>うんちく後編
今回は、近頃では大手のメーカーではメジャーになって来ていますが、おそらくワンオフのヒッチ業者では行われていないと思われる強度解析について書かせて頂きます。
大手のメーカでは試作費用などの開発コスト削減のために取り入れてますが、当工房では応力分布や変位量を知ることにより適切な材料配分や補強の要否判定行うために取り入れております。

今回の解析例として、前項でヒッチメンバーに掛かる力を337.5kgとしていましたが、この際のヒッチメンバーに掛かる応力分布や降伏応力変位量などについて架空のヒッチメンバーをモデリングし車との取付部を固定点とし加重をかけてみました。
上図は337.5kgでこれだけ曲がるという事ではありません。あくまでも変位量をデフォルメして大げさに表現しています。実際に表示単位も-(マイナス)側の指数表記なので変位量は極小です。見えにくいですが最大変位は6.003e-003と言う値になっております。
上図左側は応力分布を表しています。右側は変位量をあらわしています。ここで私の言いたいことは応力がどこに掛かっているかを知らないと変位を抑えられないということです。おそらくヒッチが右の図のように曲がったら素人考えでは単純に曲がりが強いところに補強を入れてしまうでしょう、しかし応力分布を見れば両サイドのアームが外側に曲げられることによってセンターがたわむという考え方が出来ます。すなわちそれは、両サイドアームを補強することで強度を確保できるという考え方にいたります。
今回は単純なモデルでの説明でしたが、実際はマフラーの逃がしのために複雑に入り組んだ形状になることもしばしばです。そんなときに強度解析を行い適切に材料配分、補強を行うことで目指すスペックの製品が出来ると思います。

以上